原油の四半世紀分のチャートと、きな臭くなってきた韓国ウォンのチャートを見てみよう
原油やっす！
すんげぇ落ち方してるけど、サブプライムローン問題からリーマンショック大爆発に到るまでの下落を考えると、まだ許容範囲なのかもしれない。
自分が覚えてるのは社会に出た直後、1999年のガソリン価格。レギュラー1Lが最安値で79円だったんだよ。マクドナルドでサンキューセットとかやってた頃ね。当時の原油価格は1バレル11ドルだから、23ドルを割った今をベースに考えるなら、16ドルくらいまで落ちれば1L100円を切りそう。
原油安とコロナショック？
原油安はコロナショックとはあまり関係ありません。そういうコラムも見かけるけど、直接的には供給量の増大です。OPECの仲間としてロシアも原油の安定供給に一役買っていたのですが、アメリカのシェールオイルに対抗し、OPECの方針を無視して増産に舵を切った。
これに対してサウジアラビアのサルマン皇太子は激怒し、本来ならば減産して価格を高く維持せねばならないところ、自爆覚悟の増産に踏み切りました。もはやアメリカはシェールガスで利益を出せなくなった。ロシアとサウジでチキンレースをやっている感じです。
2年前にはハイタッチする仲だったのにね･･････。
みんな減産できない
ロシアはロシアで減産できない。なぜならシェールオイルにより世界最大の産油国となったアメリカに顧客を奪われてしまうからです。アメリカはアメリカで、シェールオイル採掘に要する設備投資を投資家へ返さなきゃいけないのに、今の価格では利益を出せません。サウジはサウジで原油での利益(国の収入の何と7割！)を失うと、無料だった教育費や医療費、クソ安いガソリン代や電気代を維持できず国民は暴動を起します。
このままでは誰も得をしないわけで、次の戦争の火種じゃないかと言われる原因でもあるんですね。
安いと言えばウォンやっす！
ウォニャス！ 1260ウォン用意しないと1ドルと交換できなくなりました。ウォン安い。韓銀の防衛ラインは1200ウォンだったはずなのに、なんでこれ放置してるんだろう。ドルが尽きた？
先日来、韓国の証券取引は空売りを規制しています。もちろん株価を下落させないためなのだろうけど、どっこい日本より強烈に下げてしまった。
冷静に考えれば当り前の話で、国家が恣意的に株価を操縦しようと投資家の売買を規制したら、海外投資家は近付かなくなりますよね。手持ちの韓国株を売り払い(株安)、受け取ったウォンを売ってドルに替える(ウォン安ドル高)。私でさえそれくらい想像つくのに、ムンジェイン政権はアホなのか･･････。
何故韓国経済はウォン安でもウォン高でもヤバいのか
韓国経済は為替の変動に対して物凄く弱いんです。普通自国通貨安になれば輸出業は伸びますが(相手国通貨が高くなると相手国の購買力が増える)、韓国の場合は素材産業に大きな弱みを持っているため、日本から買わなければならない。
ですから日本に対してはウォン高円安がいいんですね。いっぱい買える。
でもまあ、日本円は世界最強クラスの通貨なので、ウォンがドルに対して安い時は、円に対しても安いんです。
一時期は10万ウォンで1万円と交換だったのに、今は11万6000ウォン出さないと1万円と交換できない。ウォン安、円高。
となると、ウォン安だからアメリカで現代自動車を大量に売れるぜ！と喜んで見ても、生産する際の原材料を日本から仕入れる際の代金も高くなってしまう。ウォン安過ぎても韓国経済は痛むんです。その第一次防衛ラインが1ドル1200ウォンだった。
ウォン高だと？
ちなみにウォン高になると、原材料を安く買えるけど相手国の購買力が落ちてしまうため、売れなくなります。ウォン高でもダメージを受ける。
韓国はウォン安過ぎてもダメ、ウォン高過ぎてもダメという、為替変動に対して非常にセンシティブな産業構造なんですね。
ただ、仮に韓国がIMFふたたびといった事態になっても、世界はそれほど大きく動揺しません。アメリカ・ロシア・サウジによる石油戦争に比べれば可愛いもんです。トランプは「隣国の日本が助けろ」くらい言いそうですけどね･･････。韓国の銀行が発行する輸入信用状へ保証を付けているのはみずほ銀行であるため、韓国で何かあった場合、喰らうのはみずほ銀行。メガバンクを飛ばすわけには行かないため、その際は日本政府が韓国支援に乗り出すことでしょう。