【コロナ対策】失業者向けの総合支援資金と、収入を減らした人向けの緊急小口資金は、使い勝手最悪なザル制度だった

2020-04-02 18:16感情的なコラム

緊急融資制度について説明を聞いてきた

緊急事態宣言・パチンコ休業となれば、うちの妹はいきなり収入ゼロとなります。事前に説明を聞いておこうということで、社会福祉協議会へ行ってきました。

緊急融資には二つある。失業者向け(総合支援資金)と、収入を減らした人向け(緊急小口資金)。妹は失業に当るから手続きを聞いたところ、複数の書類に複数の身分証明書、自立計画書やらなんやらを提出してやっと審査。通っても融資まで最速1ヶ月半もかかると言われた。

もしも失業してから申し込もうとしたら、書類はまず一発で通らないから、相談を重ねること1週間は最低でも見た方がいい。すぐに融資なんて大嘘でした。

また、失業者向けと収入を減らした人向けを併用すれば80万円の融資!などと煽り誘導するサイトもあるけど、併用はできませんと念を押されました。その手のサイトを細かいところまでよく読むと、最初は収入減の人向け、収入が回復しなかったら改めて失業者向けを申し込むと書いてあったりします。それ、併用って言わないから。別の制度を順番に利用するだけだから。最大80万円と書くことでアクセスを稼ごうという性根が汚い。

安倍総理、めっちゃ堂々と国会でスピーチしてたけど、まず制度設計を担当した職員を平手打ちにした方がいいと思ったよ。

最短5日(なお1ヶ月半)

そうそう、最短5日って聞いてたから驚いたよ。奇跡的に書類を一発で全て揃えられたら、審査まで5日。融資実行までそこから1ヶ月半ってことなんじゃない?

ジャーナリストはマスク2枚でワッショイワッショイしてないで、ここを突いた方が良いかもしれないよ。おそらく国は「本当に困ってる人への融資 → 困ってない人は完璧に弾く」という考え方なのだと思う。絶対に失敗しないよう、いくつもいくつもハードルを用意した。困窮者を救うより、役所として「ミスのない行政」を目指してるんだね。

平時はそれで正しいのかもしれないけれど、命がかかるような緊急時に「書類!審査!怪しい奴は完璧に弾く!」という考え方を最優先するのは、控え目に言って頭おかしいわ。ならば最初から全員へ即時支給にした方がよっぽどもマシでしょう。

20万円の無利子無担保融資!(ただし)

詳細は明日にでも書きますけど、失業してなくてもすぐお金を借りられる融資制度があるよ! というツイートを安易に信じないようにしようね。10万円だった枠が20万円になった! という書き方も見かけるけど、20万円貸してくれないから。コロナ前と今とを比較して、その差額分だけ貸してくれる。

もしもコロナ前の月収が20万円、今が15万円なら、貸してくれるのは5万円です

しかも借りられるのは1回だけ。もしもコロナウイルスの影響が1ヶ月以上続いた場合も関係なし。「来月もう一度借りたければ、今月中に返済してからですね」と言われてのけぞったわ。今月返せるなら最初から借りねえよw

また、家族が急に病気となり出費が増えた場合など、一切勘案してくれません。あくまでも収入のみで判断されます。

フリーランス休業助成金4,100円!(ただし)

また、フリーランスに4,100円支給とかいう話もあったじゃん。

アレを利用しようとしたら、本当にコロナが原因で困窮したのか、という証拠を出さなきゃいけない。通帳を見せても無駄だよ。「ただの売上減じゃないですか? コロナが原因だと分かる書類をご提出ください」と言われます。

たとえば取引先にお願いして「コロナウイルスの影響で吉田さんへの発注を止めました」みたいな証明書を書いてもらわなきゃならない

アホだろ?

そう思うだろ?

制度設計をした人は髪の抜ける呪いで苦しめばいいと思う。

そしておそらく自民党の議員さんはこれを知りません。無邪気に「我々は対策をやっている!」と確信してる。なんたるエクスキューズ。まともに使えない制度を作って仕事してますアピールですか。

大切なのは制度を用意すること、看板だけ用意することで、困ってる人間を救う気なんて全くない、カネを使いたくないのだと思われても仕方ないでしょう。

お気持ちで文句を言えば言うほど困るのは生活困窮者

速度こそ重要なのにひたすら時間をかけるバカな形になってるのは、おそらく国民にも責任がある。全員一律の現金給付だと貯金しちゃう人が多いとか、所得の多い人にあげる必要はないとか、そういう文句の果てに出てくるのがこういう「完璧な振り分けを目指した(クソ使い勝手の悪い)制度設計」なんですよ。

マスク2枚を無料でくれるという話にマジギレしてる人多いでしょ。マスクでさえそうなのだから、現金の支給はより慎重になる。今後出てくる緊急経済対策も現金給付も、おそらくクソみたいな制度設計となるはずですよ。今月でもう廃業しなきゃならないという人に対して、振り込まれるのは1ヶ月半後ですねーと、間違いなく、なる。

個人的には、消費税減税と現金一律給付、社会保険料や税の納付延期という国民新党のパッケージが最も「必要な人へ即届く制度」だと思いましたが、それをできる日本国ではないでしょう。書類、ハンコ、面談、添付資料、たらい回し。時間をかけるだけかけてやっと受理されても、手元に現金が届くのは数ヶ月後です。その「ロス」こそが、日本の景気回復を遅らせるのではないでしょうか。

2020-04-02 18:16感情的なコラム

Posted by epachinko