パチンコ店の組合 岐阜県遊協のトップ大野春光氏、休業を熱く語る

2020-04-29 05:36パチンコ業界の話

自治体・ホール・客、だけじゃない

休業要請に従わないパチンコ店が連日報道されています。私たちの視点はどうしても「なんでパチンコに行くんだよ」という客への苛立ちと、「なんで営業するんだよ」という店への苛立ちに包まれます。

そんな中、営業するパチンコ店をどうにかして休業させようとする人達をご存知ですか?

そう、組合。

日本全国各都道府県にある「遊技業協同組合」には、実に9割以上のパチンコ店が加盟しています。多くの知事は県遊協に対して休業要請を出します。

今回注目したのは岐阜県。どうにかして全店休業を達成しようと、理事長自ら文面を考え、営業中のホールへ伝える通達文を作成したそうです。許可をいただきましたのでここに全文を公開します。

なお、通達分のままではブログで読みにくいため、途中に小見出しを付けました。小見出しは私の創作である事をお伝えしておきます。

岐阜県のパチンコ・パチスロホール経営者及びスタッフの皆様へ

2020年4月27日
岐阜県遊技業協同組合
理事長・大野春光

単刀直入に伝えたいこと

単刀直入に申し上げます。緊急事態宣言前は、パチンコは三密ではないし、しっかりクラスター防止対策をしていますと言えました。しかしながら、緊急事態宣言が発せられた今、感染対策をどれだけ訴求しても世論の理解は得られません。

社員の雇用、地域社会への貢献を訴えても、既に県から休業要請が出された時点では営業継続すること自体が社会悪となりました。

本当に頑張っているのは、雇用関係も含め、会社全体で血を流しても休業を選択した店舗です。中には再開はできないかもと検討している企業も多くあると聞き及びます。

全員に伝えたいこと

等しく皆様に申し上げたいことがあります。店舗の鍵を持っている店長さん、貴方のお店の社員の健康に医学的根拠を示して安全だと宣言できますか?

貴方のお店に集うお客様に対して根拠を示して、万全な感染対策ができていますか?

医療機関ですら感染防止が出来ない状況で、社員を感染から守り二次感染を防止するためには、接客スタッフ全員に防護服を着用させても、完全とは言い難いでしょう。だからこその休業要請なのです。

休業要請に従う事は、ホールで働く大切なスタッフとお客様を守るという姿勢の表明です。店長さんをはじめ現場の責任者の方は、明日店舗の鍵を開ける責任の重みを今一度考えてください。経営者なら、鍵を開けさせられる現場責任者の辛さを考えて上げてください。

組合に寄せられる悲痛な叫び

県遊協には連日、是非を求める電話、FAXが届いています。中には、この状況では怖くて働けない、組合から社長に休むよう指導して欲しいとの、ホールスタッフからの悲痛な電話もあります。

これを読んだ経営者に店長さんは自分の部下、そして何より大切なお客様を守るために今何をすべきか、よく考えてください。

我々は犠牲者から加害者になる

大阪府の例を見て分かるように、わずか数店舗の経営判断の誤りが、業界全体の社会的評価を著しく損ないます。

非常事態宣言前は、感染防止の努力にもかかわらず、客足が遠のき、ホールはコロナウイルス禍の犠牲者でした。しかしながら岐阜県が非常事態宣言の特別地域に指定されて以降は、残念なことにホールが営業を続ける事はコロナウイルス感染の加害者の立場となりました。

未だ営業を続けているホールは、自らが社会的加害者であるのみならず、痛みに耐え懸命に営業自粛している同業他社に計り知れないダメージを与えている事を改めて自省頂き、遊技業を将来に残す為にも、速やかなる休業を再度強く要請いたします。


まとめ

組合からの通達FAXで、ここまで魂の入った文章は初めて見ました。あまり知られていない「組合」の苦悩を感じ取れるのではないでしょうか。営業中のホールさんへ伝わる事を願うばかりです。

そして何より、歯を食いしばって休業しているホールさんの辛抱が実を結ぶ事を願ってやみません。休業する皆さんは、圧倒的に正しい。

おまけ

岐阜県遊技業協同組合のマスコットキャラ、鵜飼まなかちゃんをご紹介しておきますね。

ちなみに理事長の大野春光氏は、パチンコホール以外に仏壇屋さんを経営しているそうです。

お仏壇の春堂

2020-04-29 05:36パチンコ業界の話

Posted by epachinko