面白いから平積みされるのではなく、平積みされてるのだから面白いだろうというロジック

パチンコ業界の話, 経済

↑箕輪厚介の天才性について触れたnote記事を読んだ。

箕輪厚介とは、いくつものヒット作を世に送り出した編集者で、セクハラ問題で挫折中。

note記事、興味深かった。

出してから売れるかどうか考えるのではなく、数量を確保してから「よりバズらせる」手法を取る。本は読むまで面白いかどうか分からないのに、平積みされていると面白そうに感じてしまうという心理を突いてる。しかも販売前に一定量の購買を取り付けることでヒットへの導火線とするのだそうだ。いわば開戦前に勝負を決するんだな。

これってパチンコ業界では以前から行われていて、10年前に業界を席巻した大量販売がこれに当りそうじゃない? 大規模な展示会を開き、めっちゃ話題になってますぅ、案件締切ですぅ、部材足りませぇんとアピールすることでホールの機械を見る目を曇らせ、大量購入へと向かわせた。

ホール側も大量に買った機械は稼働しないと困るから、床やら幕板やらに装飾を施し、バラエティの1台とは異なる扱いとした。今度は客側が同じ魔法にかかり、新装初日に着席した。

ただ、本とパチンコは決定的に異なる。本は買いきり型なので売れちゃえばOKだけど、機械は何度も打ってもらわなきゃならない。クソ台は即飛びするから「次」へつながらないんだよね。メーカーは本と同様に売り切り型として捉えていたけど、評判の悪化と市場の悪化により何を仕掛けても売れなくなってしまった。

そんな中でシンフォギアは当初の5,000台から徐々に売れ行きを伸ばし5万台に達した。「中身」で売れたわけで、これこそ正しい販売方法だと思うよ。かつて大量販売の最先端を争っていたSANKYOというのが笑っちゃうところだけどな。

今でも思い出すのがSANKYOのフィーバーフレンズとフィールズの力道山。どちらも「海を超えるからBOXで導入すべき」と売りまくったんだよな。この両社は当時、色んな意味で輝いてましたわ。

一部のホールは今後も話題機種というだけで大量購入して瞬間的な客付けを行うのだろうけど、さすがにコロナ後は厳しいんじゃないか?

パチンコ業界の話, 経済

Posted by epachinko