母の闘病生活|痛みとモルヒネの量。限界が見えてきた中で起きた奇跡
【母への主な投薬】
痛み止め・モルヒネ(常時投与)
痛み止め・カロナール
痛み止め・ロキソニン(自己調節可能)
痛み止めレスキュー・モルヒネ(ワンショット増量)
吐き気止め・2種類
便秘薬・3種類(自己調節可能)
その他・整腸剤、胃粘膜保護、糖尿病、ほか
ここ数日、母の調子は極端に悪化していた。常時投与されるモルヒネを濃くしてもらったのにレスキューの回数は変わらない。吐き気も出てきて食事を取れなくなり、1週間で5キロも落ちた。
緩和ケアの医師に訴えたところ、モルヒネの効き目を強める薬を処方してくれた。いわく、モルヒネの量は保険適用できるギリギリ近くまで濃くしてあるのだと。
吐き気止めも2種類もらった。
しかし効果は出ず、嘔吐を繰り返す。
これひょっとして、モルヒネが吐き気を誘発してるんじゃないのか?
そこで、痛いからレスキューをするのではなく、痛みと吐き気のうち痛みが勝っているときだけレスキューすることにした。同時にやっつけられないのなら片方だけでもという苦肉の策だ。
痛み>吐き気→吐き気止めを休止してレスキュー+ロキソニン
痛み<吐き気→レスキューとロキソニンを休止して吐き気止めを飲む
レスキューを減らしたら、なぜか吐き気止めの効きが良くなった。吐き気止めが効いたら、なぜか常時投与のモルヒネの効きまで良くなった。
結果、レスキュー回数は1日平均12回だったものが昨日は3回、今日は0回だ。なんか勝手に家系ラーメン作って食べてるし、普通に茶碗も洗ってる。
こんなことってある?? 昨日まで一日寝てたし食事も取れなかったのに、まさかの奇蹟だよ。
ていうかそのラーメン俺のだし。冷凍ほうれん草をレンチンして添えてやったわ。何のサービスだ。
たまたま今日は訪問看護だったので質問してみたところ、「レスキューを減らすことで痛みが減ったなんて話は聞いたことがない」とのこと。
そらそうだ。
痛いからレスキューするんだもん。
「おそらく、モルヒネの投与量が増えたことで吐き気止めの効きが悪くなった。吐き気止めを増やしたことで痛みに敏感となりモルヒネの量も増えた。悪循環になっていたと思う。それが今リセットされたのだから、今を基準に考え、投与量を作り直さねばならない。次の外来の時に先生へ必ず伝えてください」
とのこと。
信じられないという言葉を連発して、投薬表の写真を撮って帰った。
逆に言えばさ。
逆に言えばね。
「痛いならレスキューしよう」と促していた僕が、母を苦しめていたことになる。
医師の指導だし、間違ってないのだけど、割り切れるもんじゃないわ。