大阪のパチンコホールアミューズが悠煇(ドキわくランド)をM&A

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アミューズといえば郊外店なのに数千人の行列を作るホール。本拠地は大阪です。一度、大阪の店舗を見たんだけど、ちょっと別モノと思えるくらい千葉店は甘い。

それが、ドキわくランドを手に入れるですか。

悠煇のオーナーさんは、沖縄サンシャイン(オータ)の一族でしたよね。兄弟喧嘩の噂は4年くらい前だったかな。

この会社名を知ったのは、BUNBUNに土地建物を貸していたジャルコと繋がったから。

どういうツテをたどったのか、JALCOは悠煇のグループ会社「悠晴」から最大35億円を借りられる契約を取り付けます。そしてJALCOはこの資金を使い土地をいくつも仕入れ、大手ホールや三菱ふそうに貸して家賃収入を得ます。

「三菱グループと取引がある」という一点を強調することで市場から信用を取り付け、「大手ホールに土地建物を貸してる」という一点でサン電子や大一商会ともつながった。

ただ、当時の資金の流れは不思議だった。JALCOは借りた金を返すために発行した新株予約権を発行したものの、金を貸した悠晴と、発行したJALCOの社長がそれを大量購入したんだよ。

AさんはBさんから金を借りました。
Aさんは金を返すために新株予約権を発行します。
それをAさんもBさんも購入しました。
新株を売却すればAさんもBさんもボロ儲けです。

これって、上場会社を使っての錬金術だと思ったな。

違法でもなんでもなく、損するのは既存の株主だけ(新株発行により持ってる株が希薄化するから)。ただそれも、株価そのものが上昇すれば既存株主にもメリットとなるため批判は生まれない。そして実際、2018年以降、株価は上昇した。

新株予約権をエサに融資を取り付けつつ、その金で土地を仕入れ、大企業に貸すことで底堅い家賃収入を得て、業績を少しずつ伸ばすから株価も維持される。好き嫌いは別として、JALCOの田辺社長の手腕は芸術的とすら思った。

彼のやりたいことが不動産とは思えないのだけど、金融関連の手練手管はさすがだよ。

アミューズがM&Aで手に入れるのはドキわくランドの店舗であり、どうやら家賃を支払うことになるみたい。となると、悠煇は先の暗いパチンコ事業を売却し、さらに家賃収入まで得られるということ。

正直なところ、悠煇の社長も商売センスあるなと思った。悠晴はシレッとJALCO株を高値で売却してるしね。

こういう話を聞くと、カネカネカネでうんざりしますが、商売ってのは相手を儲けさせないと信頼を勝ち取れない。そういう意味では、JALCOと悠晴はwin-winだったのかもしれない。

JALCOのバランスシートを見てみると、現預金が驚くほど少なく、固定資産ばかり極大化してる。これはおそらく仕入れた土地。大きな長期借入金は、土地を仕入れる際に受けた銀行や悠晴からの融資かな。

棚卸資産の増加は買収したSUNTACのものかしら。

遊び金を持たず、 短期の借入金を突っ込み不動産を仕入れ、綱の上を全力で突っ走る。その経営観は、もはや恐怖に対する鈍磨じゃないかと驚くほどです。