異文化に転生する夢を見た
急激な気圧変化にやられポンコツ化したので、思い切って寝てみた。
夢の中で僕は異世界、ではないな、多分日本だったから。チンケな不良グループのメンバーになっていた。知らない世界という意味では“異文化”と言っていいかもしれない。
年齢は15歳。痩せ型。ボサボサの茶髪。メガネはしていない。これから高校へ進学するという段階。
前世とは別の中学高校なのだけど、再び教室で勉強することを嫌だと感じ、どうせなら小学生からやり直したかったと思い、いやいや高校からでも違う人生は歩めるだろと思い直した。
パチンコのこと、家族のことは考えなかった。ひたすら「転生しても面倒くさい学生生活が待ってる」という意識だった。
自分を俯瞰視点で見ていた。
ある昼下がり。他地区の不良グループと喧嘩をするも、全く歯が立たない。僕はその場から駆け出し、近くで遊んでいた小さな子供たちを喧嘩場所に誘導した。
仲間がそれぞれ子供を抱きかかえると、相手の不良はさすがに子供ごと殴るのを躊躇し、白けてどこかへ行ってしまった。
なかなかに最低である。
ただ、第三者視点の僕は、転生後の僕の肩を叩き、最高に最低だなと笑い、同一化した。
転生後の自分が初めて見た景色は、青空の下で暗く沈む、壁のように巨大な高層団地だった。
起きたら深夜3時。
髪は薄く、身体は太型。なんで異世界のパチンコ屋に行かなかったんだと後悔する、いつもの僕だった。