母、今日退院の予定だったんだけど
先ほど病院から電話があり、昨日の夜、強い痛みに襲われたため、麻酔の量を再度調整したいとのこと。暗い声だから心臓張り裂けそうだったわ。
なんか知らんけど麻酔科の教授が気にかけてくれてるらしく、他院の仕事を終えたら戻ってきて指示を出すとのこと。午後3時くらいにもう一度電話するとのこと。
ぽっかりと時間が空いてしまった。
仕事をしようとしても、兄妹ともになんも手が付かない。
・・・・・・母はこれまで5回の救急搬送を行っています。痛みに対してはレスキュー(モルヒネの緊急増量投与)や、カロナールやロキソニンで対応する。吐き気に対しては複数の吐き気止めももらってる。
しかし、痛みが閾値を超えると、レスキューは全く効かない。カロナールを飲ませてもすぐに吐き出してしまう。そしてそれは、いきなりやってくる。救急隊の皆さんごめんなさいと思いつつ、家族側に打つ手がなくなってしまうのね。
この無力感は凄まじく、病院で大量の麻酔を投与されぐったりする母を見て、ひたすら情けなく、悔しい。
医師からの説明では「正月を迎えることは間違いなく、ない。目標はオリンピックの開幕でしょう」と言われてる。
ガンの勢いを示す腫瘍マーカーは、500台から一気に2700へ跳ね上がり、ガン細胞は一気に全身へ広がっているだろうとのこと。まだ転移の初期だからCTをとっても見えないけれど、見える頃には手の施しようがないほど広がっているはずだと言われた。
すい臓ガンは楽に死ねるなんて言う人もいるけど、それ、たまたまだから。すい臓の近くには神経叢という神経の集中する部分があり、ガンの広がりにより、麻薬ですら鎮痛できないほどの痛みに襲われる。
だから、無理に退院させない。家へ帰りたがってる母の気持ちも知ってるし、と同時に、これじゃ帰れないと言う母の気持ちも知ってる。退院させたところで、過去5回と同じように、夜中の救急搬送が見えてる。
人体って、何なんだろうな。
神様ってのは、人に冷たいわ。