「新型肺炎、パチンコ店への立ち入り自粛なされぬ理由」という尾藤克之氏の三流陰謀コラム

note書いてます, パチンコ業界の話

粗雑なコラムを発見

尾藤克之氏による「パチンコ店への立ち入り自粛なされぬ理由」というコラムを読んだ。読んだんですけど、ネットで雑に調べたものを雑に連結させ、持ち前の文章力で陰謀風味に仕立て上げた、コラムニストの看板を下ろして欲しいレベルの三流陰謀記事でした。

まずは尾藤氏のコラムをご覧ください。

この尾藤克之という方、いくつも著作があり、障害者支援団体の幹部、明治大学サービス創新研究所研究員という大層な肩書きを持つのに、Wikipediaにページが無いんですよ

議員秘書、大手コンサルティングファーム、経営・事業開発支援、上場企業役員などと書かれているものの、その全てに議員名も法人名も記載されていないのです。

何者なのかご存知の方、いらっしゃいましたらそっと教えてください。

パチンコは濃厚接触と「匂わせる」

小池都知事の会見では、都民に対して「不要不急の外出自粛要請」を繰り返し訴えました。

画像3
画像引用→【NHK

この中で、パチンコが含まれていないことを疑問に感じたのか、もしくはナイトクラブやバーばかりがやり玉に挙がったことがご不満なのか、尾藤氏はパチンコを濃厚接触の場であるかのように書き連ねます。

パチンコ店では、「換気の問題」「他人が触れたハンドルを握ること」「隣の座席が近い」という問題がありますが濃厚接触にはならないのでしょうか。

「ならないのでしょうか」と、問いかける形にしており、断言していない。嫌らしいねぇ。こうすることで読者は「うんうん、これは濃厚接触だな」と自分の考えとしてインプットするため、コラム全体の納得度を上げられます。

また、万が一パチンコ業界側から反論された時には「疑問系ですから」と逃げられる。さすが、文章力に関する著作があるだけあって、上手いですね。私はすぐ断定口調になってしまうため、尾藤氏からすれば落第でしょう。

なお、東北大学名誉教授の賀来満夫氏によると、濃厚接触を以下のように定義しています。

画像引用→【朝日新聞DIGITAL

こんなパチンコ無ぇよ。

感染症の専門家で具体的なアドバイスをする賀来名誉教授と、経歴不詳なコラムニストの尾藤氏、どちらの言説を信用するかという話ですわ。

もちろん私も、パチンコホールが安全だなんて言い切りません。たまたま感染者が出ていないだけかもしれないし、実際に安全なのかもしれない。大切なのは現実として感染者は出ておらず、ライブハウス、居酒屋、スポーツジムのようなクラスターも発生していないということ。

日本は世界と違い「クラスターを叩く方針」です。パチンコホールでクラスターが発生しやすい状況になったならば営業自粛をすべきでしょうし、明らかに発生しにくいのであれば他業種から参考としてもらう事も可能でしょう。いずれにせよ、イメージではなくファクトに基づくべきです

パチンコ業界は政治家と癒着してると「匂わせる」

ここで尾藤氏は、いきなり政治家の話へ急転回させます。

パチンコ業界が多額の政治献金をおこなっていることはあまり知られていません。つまり、業界と政治家に何らかの関係があることが否定できません

これはもう笑うしかない

彼は上場企業役員や大手コンサルティングファームにいたのですから(何年いたのかは不明)、ありとあらゆる業界が政治献金を行っていると知らないはずはない。そして、パチンコ業界の献金先、件数、金額は政治資金収支報告書で調べられます。ネットでも検索できますよ。他業界に比してどれくらい「多額」なのか、最低でも数字で比較せねば、ただの印象操作でしょう。

さらに尾藤氏は今回も「業界と政治家に何らかの関係があることが否定できません」などと匂わせつつ、断定を避け、責任を回避しています

彼はご存じないのかもしれませんが、農林水産業、建設業、医師薬剤師から郵便局長会に到るまで、日本を代表する業種には「族議員」がいます。企業の労働組合出身の議員もいる。彼らは当然のこととして、自分を当選させてくれた業種のために活動します。

日歯連闇献金事件とか、ご存じないかな。

パチンコ業界は、いないんですよ。族議員

昨年の参院選、頑張ったんですけどね・・・・・・。

まさかそんなことも知らないとは思いませんでした。

てかなんだよ「何らかの関係」って。

そこが一番重要じゃないか。

教えてくれよ、何の関係なのか。

パチンコ業界について何も知らないことを露呈

パチンコ業界人なら最も大笑いするのが以下の部分。

大手パチンコホールで構成される「パチンコチェーンストア協会(PCSA)」という団体があります。この団体には、多くの国会議員が「政治分野アドバイザー」として名を連ねています。

だから何(苦笑)

ちょっと取材すれば分かると思うのですけど、PCSAの政治分野アドバイザーは、パチンコ業界のために動く議員ではありません。今でこそ自民党議員ばかりですけど、民主党政権時代は半数以上が民主党議員でしたしね。つまり「応援してもらってる」レベルに過ぎません。

事実、パチンコ業界とつながりの深い赤松広隆議員や、平沢勝栄議員は含まれていません。いくらネットでササッと調べただけとはいえ、疑問にすら思わなかったのでしょうか。

ネトウヨレベルの情報収集能力

そしてPCSAとは、パチンコホールにチェーンストア理論を持ち込むべく、ダイナムの呼びかけにより設立された団体に過ぎず、全国のパチンコホールを代表する団体ではありません。パチンコホールの代表は全日本遊技事業協同組合連合会(全日遊連)であり、PCSAは勉強会のニュアンスに近い。その政治アドバイザーを癒着の根拠であるように匂わせるのは、姑息を通り越して卑怯以外の何者でもないでしょう。

いわゆるネトウヨ(ネット右翼)も、このPCSA政治アドバイザーを根拠に、パチンコと政治が癒着していると叩くんですけど、本当に40人もの国会議員がパチンコと癒着しているならば、これほど厳しい射幸性の規制や広告宣伝規制を食らったりしませんよ。つまり尾藤氏のパチンコ業界に関する知識は「ネトウヨレベル」ということなんですね

ちなみに私もネトウヨなので、尾藤氏とは気が合いそうです(゚∀゚)

なぜ彼は詳しくもないパチンコ業界の話に首を突っ込んだのか

尾藤克之氏の知性溢れるコラムはまだ続きがあります。解説をご覧になりたい方は、ボンペイnote500をご覧ください。