母の容態

2020-10-14 18:40母の介護

昨日、母が再入院しまして。

あ、励ましのお言葉は大丈夫です。

前回の入院から2週間。好調だったのは退院後数日のみで、一昨日あたりからはほぼ一日中痛みで寝たきりでした。ここのところずっと痛み止めが増え続けてたのに、飲んでも痛みがちっとも緩和されない。

救急搬送時、母の顔が明らかにホッとしてるのよ。病院へ行けば大丈夫、家は地獄だと、その表情は明瞭に語っていました。長男としては何ともやりきれない気分になります。

点滴をする母は「今おちついてる。痛みは3から4くらい」と言う。嘔吐した朝は10と言っていたから確かに落ち着いたのだろう。

だがちょっと疑問に思い、看護師に質問した。

「この点滴、痛み止め入ってます?」

すると看護師。その言葉を待っていたとばかりに目を見開き、「入ってません!」というのね。

「搬送されてから痛み止めは投与してます?」
「してません!」

痛み止め無しなのに痛みが治まった。つまり母の痛みはメンタルに依るものが大きいのではないか。看護師はそこに気付いてほしかったのだろうし、一昨日の医師が抗うつ剤のトリプタノールを処方したのもそういうことなのだろう。

痛み止めは、足りてるんだ。

痛みが長期化すると常に緊張する。緊張すれば筋肉は硬直する。硬直によりガン細胞と神経は圧迫され余計に痛む。痛むと動けなくなり、免疫細胞は不活化し、ガン細胞は大きくなる。痛み止めは際限なく増えて気力を奪っていく。これがネガティブサイクルだ。

これをポジティブサイクルへ逆転させるには、身体を動かすしかない。だから医者は旅行を勧めるのだろう。意識が痛み以外に向くから筋肉は硬直せず、痛みは和らぐ。明後日からの高知旅行はキャンセルすることになったけれど、方針としては間違ってないのだな。後は自宅にいるときでも毎日必ず散歩することだ。

投薬開始当初に比べ、医療用麻薬のオキシコドン(オキシコンチン)は5倍。鎮痛剤のカロナールは4倍。レスキュー薬のオキノーム酸(オキシコンチン)は24倍に増えていた。ガン細胞は大きくなってないのだからどう考えてもおかしい。

ゆえに散歩や買い物へ誘ってきたのだけれど、痛いと言われればそれ以上誘えないのよね。どうにかしたくて、北側に位置する母の薄暗い部屋から、好きな庭を見られて明るい南側の妹の部屋へ移れでと言っても迷信扱いしてロクに取り合ってくれない。

それゆえ、看護師の「入ってません!」という台詞を聞いた母の顔は驚きに満ちていた。ボソッと「心の問題なのかねぇ」と気付いたようだ。この辺の頭の切れは大したもので、旅行で痛みが引く理屈も理解しただろう。 あとは痛み止めではなく生活の問題となる。

ただ、妹ならば「ほら散歩行くよ!はよ!はよ!」と机を叩きながら連れ回すのだろうけど、どうにも私はそれができない。これまでも痛み止めを増やすよう医師へお願いし続けてしまった。チラ見したカルテに“プラセボ”とあったから、おそらく医師は気付いていたし、痛み止めの量はこちらの把握量より少ないのだろう(プラセボとは偽薬のこと。毒にも薬にもならない気休め)。

幸い日医大千葉北総病院は印旛圏のガン治療指定機関なので、「痛くないはずなのに痛いと感じてしまうケース」の対処方法も知っているはずだ。とりあえず緩和ケアの先生に、母本人ではなく家族側の取り組みについて質問したいと思う。

2020-10-14 18:40母の介護

Posted by epachinko