代表ヅラしてんじゃねえよ

パチンコ業界の話, ブログ・SNS

僕もパチンコ業界に入って長くなりましたが、関東京楽へ入社する前までは、自分の「ほーむぺーじ」で日記を書くだけのPachinkoファンでした。ホールで働いた経験はあるものの、ただの平社員であり、ほぼほぼファンとしての視点だったと思う。

機械を売り、セミナーの講師となり、ホール経営を手伝い、メーカー開発者の苦労を直接聞き、そうこうしてるうちに自分はファン視点から遠ざかっていたと思う。

原初の自分はね。ファンの代表でもないのに代表ヅラして書いてたよ。その傲慢さは一種の魅力だったろうなと、今だからわかる。自分は何かの代表であると、代表ではないことを自覚しつつも書ききるには体力が必要です。

ちょっと考えてみてよ。これを読んでるあなたはホール? メーカー? どこかで働いてるわけだよね。さあ、ホールの立場を代表して毎日意見を書いてくださいといわれたら、ちょっと身構えるでしょ。報酬は0円ですとなったら、まずやらない。少なくとも匿名じゃなきゃできないよね。

代表ではないのに代表ヅラするには、同じカテゴリーの人たちをまず納得させなきゃいけない。10割賛成とまでは行かずとも、7割、いや6割でいい。「好きか嫌いかは置いといて、言ってることは悪くない」という同意を得る。

その上で、ぶっ壊す相手側からの「お前はホールやメーカーの苦労を知ってるのに偉そうなこと言ってんじゃねえよ」という圧を正面から跳ね返さねばならない。大抵の人は他人にその役割を押し付けて、物足りないだの何だの文句をつけてプライドを維持する。

今、業界で、「は? 沖ドキ撤去?? ファンはそんなこと望んでねえよ。ファンのために業界は戦え。警察を相手に戦え」と叫ぼうもんなら、じゃあお前がやってみろやカス! と言われるよね。よっしゃ分かったと警察庁へ意見書なんぞ書こうもんなら、余計な事すんな業界を滅ぼす気かボケ! と罵倒されるはずだ。

歴史を作っちゃう人は、それでも動くんだよ。代表性を身にまとって突き進む。N国の立花なんかは「NHKに苦しめられてる庶民の代表」という衣を身にまとい、国会議員にまでなった。残念ながら彼は代表たる能力を持ち合わせていなかったから延々とバカを繰り返してるけどね。

代表ヅラしちゃえる人の根源は何か。

それは怒り。

苦しめられる大衆と自分自身を同一視したうえで、加害者に対して死ぬ気の戦いを挑む。被害者の代表として徹底的に攻撃する。パチンコの未来を腐らせる連中、未来を摘もうとする連中を許せないという、轟々たる怒りが必要なんですね。

20数年前の僕は、裏物使ってるホールがアヘ顔さらして営業してることに怒りを覚えた。パチンコ業界を潰す気かという圧倒的な怒りがあった。なのにいつしか、「まあ、あの頃はどのホールも使ってましたしね」「なんなら自分もボルキャニック打ったしね」なんて言ってしまう。丸まってしまったんだな。

沖ドキ問題では久しぶりに怒りの炎を感じたけれど、メーカーともホールとも何の契約もしていない「恵まれた状況」であるにもかかわらず、行動を起こせなかった。自分はファン代表であると言い切れなかった。ボンペイ吉田は死んだと思った。

だからツイッターのプロフィールを「反省R&D」にした。

ダメダナ。

諦めというのは、がん細胞のように増殖し、転移する。まだ負けたくない。

あ、沖ドキについては「ファンが望んでるんだから設置しろ!」といっても、ファンから6割の同意は取り付けられないと思う。最近のファンはリテラシー高いから、むしろ「自分の利益しか考えてないホールがクソ」と言われて終わりじゃないかな。